末日聖徒イエス・キリスト教会の教会歴史博物館ではきょう、モルモンのアーティスト、ジョセフ・ポール・フォーストの作品の展示会が始まった。「ジョセフ・ポール・フォースト:回顧展」と題した展示は2017年11月9日~2018年4月15日にかけて開催される。油絵、水彩画、描画、石版画、その他の作品を含め111点の作品が展示されるが、そのうちの多数が今回初公開となる。
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「これは本当に特別なイベントです。フォーストが亡くなって以来70年ぶりにこれらすべての作品が展示されることになりました。今回は、アメリカ国内の重要な博物館で展示されてきた作品を集め、再展示することができました」と今回の展示の管理者であるグレン・ネルソンは述べた。
フォーストは1897年、ドイツのエッセンで生まれ、1947年に脳動脈瘤を患った後に死亡した。彼は二つの世界大戦を生き延び、第一次世界大戦ではドイツ陸軍の一員として戦った。1924年に末日聖徒に改宗し、大恐慌の最中の1930年に移民としてアメリカに渡り、ミズーリ州セントルイスに定住した。
「フォーストの作品は、彼の時代の芸術をモチーフに宗教を盛り込んだもので、非常に興味深いものです」とネルソンは説明する。
「彼の作品に見て取れるテーマは、希望、虐げられた人々に対する思いやり、そしてよく観察して表現された社会の姿です。彼は辛い生活を強いられていました」と教会歴史博物館の世界の芸術作品買収管理者であるローラ・オーレッド・ハータドは述べた。
フォーストは彼の時代のアメリカで最も重要な画家の一人と考えられていたとネルソンは述べ、「フォーストは若くして亡くなり、その後、彼の作品はどこかに消えてしまいました。教会の中からも彼の存在が消えてしまいました」と語った。
生前、フォーストはアメリカ中の博物館で広く作品を出展しており、メトロポリタン美術館、ホイットニー美術館、シカゴ美術館、アメリカ議会図書館、カーネギー美術館、その他多くの美術館では、彼の受賞作品となった絵画や石版画などが展示されていた。
「フォーストは自分の作品をユタ州の古いデゼレト体育館にあるアリス・メリル・ホーンとスプリングビル美術館で展示しました」とハータドは述べた。
「彼の作品が最初に披露されたのはここソルトレークですから、その作品がまたソルトレークで展示されるというのは驚くべきことです。83年前、フォーレスは複数の宗教画を見せました。… それらは新約聖書に基づく物語を描いた、ドイツの表現派スタイルの版画でした」 とネルソンは語った。
しかしネルソンは、「フォーストの家族は、4年前にドイツ人の友人が彼の作品の所在地を突き止めるまで、そのありかは知りませんでした」と語る。フォーストの友人は、小さな書類入れにまとめられた彼の絵画が本屋に預けられていたところを見つけ出した。
「フォーストの作品は、ごく最近になって再発見されました。ですから、今回の展示は教会とソルトレークシティに再び彼の作品を紹介する機会となりました」とネルソンは述べた。
「今回の展示の目的は、フォーストを今日の美術鑑賞者に再び紹介し、彼が伝えたかった希望と思いやりというテーマを再び紹介し、彼が分かち合おうとしたメッセージを分かち合うことです」とハータドは語った。
今回の展示作品は、メトロポリタン美術館、近代美術館、セントルイス美術館、国立美術館、クリスタル・ブリッジイズ・アメリカ美術館、セントルイスポストディスパッチ新聞、ミズーリ大学セントルイス校にあるセントルイス・マーカンティール図書館、シカゴとニューヨークにある商業ギャラリー、アメリカおよびドイツの個人絵画収集家、教会歴史博物館の常設展示物から貸し出されたものである。
ネルソンが執筆した250ページのモノグラフ「ジョセフ・ポール・フォースト」は、回顧展と時を同じくして発行される。
教会歴史博物館もフォーストを紹介する短いドキュメンタリーフィルムを制作した。博物館の所在地は、ソルトレークシティーのテンプルスクエア45 West Temple Street。