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教会がアフリカ諸国の貴重な記録を保存

ワールドレポート2017年10月版で報告された多数の話題から1つを紹介

教会がアフリカ諸国の貴重な記録を保存

長年の内戦と致死性のあるエボラ出血熱の大流行により、シエラレオネのインフラが破壊され荒廃した状態にある。多くの死者を出した内戦の終結が宣言された1年後、この西アフリカの貧困国では国の機能が未だ回復せず、国民の記録保存を含め、ほぼすべての生活場面で影響が見られている。

シエラレオネのフリータウンにある戸籍担当部長代理人オフィス(Office of the Deputy Chief Registrar of Birth and Deaths)では、1800年代初期にまでさかのぼる戸籍書類が、現地の劣悪な保存状態、高温多湿気候、そして頻繁に人手に触れられることが原因となり、劣化が急速に進んでいる。

「電気照明が使えるのが1週間に1~2日ということも時々あり、保存が非常に困難な状態です」と戸籍担当部長代理は述べた。

電気照明が使える数少ない日でさえ、それは同代理と部下たちがともにお金を出し合うことで可能になることであるといい、蒸し暑い部屋でペンと紙を使った記録保存作業が行われている。その作業部屋には、数十年にわたり記録された国中の戸籍が、その場しのぎで作られた保管棚に置かれ、棚は書類の重みでたわんでいるという。

「初めて戸籍書類を見た時、それは無残な状態にありました。戸籍の保存状態、そして戸籍担当スタッフが劣悪な作業環境の中にありながらも、シエラレオネ国民のために記録保存に最善を尽くしている姿を見て心が痛みました」と末日聖徒イエス・キリスト教会のファミリーサーチ・インターナショナルが行う、記録へのアクセスを可能にするプロジェクト管理者であるティエリー・ムトンボは語った。

献身的なスタッフの不屈の努力にもかかわらず、ぼろぼろになった紙記録の劣化が容赦なく進み、国の歴史が消滅の危機にあった。しかしこの状況は、シエラレオネの大統領の代理人アーネスト・バイ・コロマがトーマス・S・モンソン大管長に対し、存亡危機にある戸籍保存への支援を要請したことで、大きく変わった。

劣化した出生・死亡記録を写真に撮り、デジタル化して将来的にはオンラインでアクセスを可能にするというプロジェクトを教会が承認した。この作業は、シエラレオネの戸籍担当オフィスと同じフロアで始まっている。

戸籍課の課長であるアルハジ・ナロは、「ファミリーサーチが戸籍のデジタル化作業を始めるまで、戸籍課のスタッフが記録を保存しようと手書きで懸命な努力を行っていました。わたしたち戸籍課、シエラレオネ国民、そしてシエラレオネの子どもたちのために、ファミリーサーチが戸籍保存の支援をしてくれたことに感謝しています」と述べた。

 

シエラレオネ国内の記録すべてを保存

デジタル化によって戸籍保存が行われているコミュニティはフリータウンだけではない。シエラレオネ政府は、国中の町、人里離れた村の記録にファミリーサーチがアクセスすることも許可した。チャールズ・フォーナは、未開の森林地帯にある村の1つであるモコルボンドの住人である。

エレファントグラスで葺かれた屋根が並ぶ里には、数少ない家族の何世代にもわたる記録が残っている。「ここにある記録はすべて、父から息子に口述継承されたものです。けれども人が亡くなると重要な記録が継承されなくなることが頻繁に起こります。家族の記録が紙に残され、また口述継承されるだけでなく、電子媒体で記録されマウスをクリックするだけで国内または世界のどこにいてもアクセスできるようになります」と自分の家族記録が保存されることを楽しみにするフォーナは述べる。

異宗教間の協力

ファミリーサーチのティエリー・ムトンボは、フリータウンの教区アーカイブ担当者のアルフォンソ・カルー神父など、シエラレオネの異宗教の指導者とも共同で作業を行っている。カトリック教会は、バプテスマ、確認、結婚の記録の保管室を教会に対してオープンにし、今回の保存プロジェクトで記録が使用されることを許可した。

「記録が保存されなければ、何十もの歴史的なアーカイブについて話すことができなくなります。どんな記録であれ、将来の世代にとっては貴重なデータベースとなります」とカルー神父は語る。

素晴らしいプロジェクト

今回のプロジェクトが完了すると、400万件もの記録がデジタルデータとして、将来の世代のために保存されることになる。教会が提供するファミリーサーチはアフリカ大陸全体の国々で同様の記録デジタル化プロジェクトを進めている。

「存在する記録をデジタル画像として残すプロジェクトは素晴らしいものであり、必要なプロジェクトです。教会が所有する記録を世界中で閲覧可能にすることにより、アフリカ諸国の国民が、歴史に残る1つの場所、そして1人の人間として、自分の国と自分の歴史について誇りを持つようになり、それがコミュニティを強めることになります」と、アフリカ諸国の国民に仕える役割を担当する十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は述べる。

ワールドレポートで紹介

シエラレオネでの記録保存に関する話題は、ワールドレポート2017年10月版で紹介された話題の一つである。教会が世界で行う人道的支援、ハリケーン「ハービー」、「イルマ」、「マリア」、そしてメキシコでの地震などの災害後に困難に直面した人々に対して行った救援活動に関する情報がワールドレポートで視聴が可能。さらに、宣教師訓練センターの追加建設、建設が発表された神殿の進行状況なども報告される。

ワールドレポート放送予定:

総大会開催の週末にワールドレポートの視聴が可能となる日時は以下の通り:KSL-TV (NBC 系列, ソルトレークシティー)、BYUTV、BYUTV インターナショナル、教会の衛星放送にて。

9月30日(土)

KSL-TV:午後12:30–1:30 (米国山岳部夏時間)

BYUTV:午後1:00–2:00 (米国山岳部夏時間)

教会の衛生放送: 午後12:10–1:55および午後4:30–5:15 (米国山岳部夏時間) (英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、広東語、北京語、日本語、韓国語)

10月1日(日) 

BYUTV:午前6:30 –7:30 (米国山岳部夏時間)

BYUTVインターナショナル:午前6:00–7:00及び正午–午後1:00 (米国山岳部夏時間) (スペイン語とポルトガル語)

教会の衛星放送:午前8:00– 8:45および 午後12:10–12:55 (米国山岳部夏時間) (英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、広東語、北京語、日本語、韓国語)

10月6日(金)  

教会の衛星放送:午後11:00–11:45 (米国山岳部夏時間 - 世界の時間帯を配慮)(英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、広東語、北京語、日本語、韓国語)

10月7日(土) 

教会の衛星放送:午前2:00–2:45 (米国山岳部夏時間 - 世界の時間帯を配慮)(英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、広東語、北京語、日本語、韓国語)

書式ガイドの注釈:末日聖徒イエス・キリスト教会に関する記事で,教会の名称を最初に引用する際には,正式名称を使うようお願いいたします。教会の名称の引用に関する詳しい情報は,こちらへ: 書式ガイド書式ガイド.