ニュースリリース

ウォーターゲート裁判で働いたクリストファーソン長老:この事件から学んだ教訓を回顧

オックスフォード大学の学生、教授陣、研究者に向かって講演

「取るに足りないことのように思える事柄について、取るに足りないと思える行動を起こす時でさえ、高潔さをないがしろにすれば良心によってもたらされる恩恵や保護を失うことになります」と末日聖徒イエス・キリスト教会の十二使徒であるD・トッド・クリストファーソン長老が述べた。

モルモンの使徒がウォーターゲート裁判で学んだ教訓をオックスフォード大学で回顧

2017年6月15日(木)、英国のオックスフォード大学にて、このモルモンの使徒は40年以上前に関わったウォーターゲート事件の裁判において裁判長の補佐を務めた経験について学生、教授陣、研究者に向かって話した。

ウォーターゲートスキャンダル

1970年代初期、ワシントンDCにある合衆国地方裁判所で裁判長ジョン・シリカの補佐として働いていたクリストファーソン長老は、「ウォーターゲート裁判ではいわゆる『リングサイド』の席に座っていました。ある時、裁判長が私に向かって『このような仕事の機会が与えられて、君が感謝してくれていることを望むよ。こんな経験ができる裁判長補佐はそんなに多くないからね』と言った後、少し間をおいて『このような事件の裁判長ができるなんて、私自身にとってもこれは貴重な経験だね』と言っていました」と話した。

アメリカの首都にある複合ビルの名を取ってウォーターゲートスキャンダルと呼ばれたこの事件では、大統領、司法長官、法律顧問、側近がウォーターゲートビルにある民主党本部への侵入を隠ぺいしたとして、1974年に大統領を辞任に追い込んだ。大統領再選委員会の会員が、盗聴器を設置するためにウォーターゲートビルに無断侵入するための計画を立てたのであった。

裁判長であったジョン・シリカと私は、ホワイトハウスでのミーティングの模様が録音され、ウォーターゲートビルへの侵入の隠ぺい工作にニクソン大統領が共謀していたことを明らかに示すオーディオテープを聞いた」とクリストファーソン長老は説明した。そのオーディオテープの中で証拠となる部分が複製され、特別検察官と大審判に回された。

大統領はホワイトハウスのオーディオテープの公開を拒否するために大統領行政特権を行使しようとしたが、シリカ裁判長はそれを認めなかった。

クリストファーソン長老は「大きな恐れを感じながらも、シリカ裁判長はあの決断を下しました。わたしはシリカ裁判長の高潔さと、自分の良心に従うという決意を誇りに思いました。ウォーターゲート事件はスキャンダル中のスキャンダルです。とても有名な事件となり、アメリカではそれ以降に起こったスキャンダルのほとんどは、その深刻性を表すために『〇〇ゲート』と呼ばれるようになりました」と語った。

良心についての教訓

「良心は個人的な義務を定義するもので、人それぞれの霊の奥底から起こるものだとわたしは考えています」と末日聖徒の使徒はオックスフォード大学の聴衆に向かって述べた。

クリストファーソン長老は、ニクソン大統領には「明確な良心を持って」隠ぺい工作を止める「たくさんの機会があった」のに、どんどん深みにはまってしまったと語った。

「良心は、有害な行動を隠したり、特権を得るために行使するものではありません。このような考え方に陥ってしまうと、国民には計略がお見通しとなります」とクリストファーソン長老は述べた。

クリストファーソン長老は、裁判官補佐としてウォーターゲート事件を担当した経験は、今日に至るまで、自分に行動指針を与えてくれた貴重な学びの場であったという。

 

「この経験から得た人生の教訓は、自分の人生において決して同様の破滅的な経験をしないためには、一度たりとも例外を作ることなく、常にそして変わることなく、自分は道徳的な良心に従うべきであるということです」とクリストファーソン長老は述べた。

クリストファーソン長老は、良心をどうやって強めるかについて「人への奉仕に人生を捧げることで、良心が育ちます。奉仕を行うことで、自己中心的で利己的な考えに脅かされることなく自分を守ることができます」と実践的な提案を行った。

「弱い良心、麻痺した良心は、多かれ少なかれ、また集団であろうと個人にとってであろうと「ウォーターゲート」のような惨事への扉を開くことになります。こういった惨事では、罪ある者もない者もともに傷つき破滅することになります」とクリストファーソン長老は述べた。

「良心についての概念、そしてそれがわたしたちの社会、つまり公務員としてのわたしたち自身にどのように衝撃を与えるかを考えると、それはとても身近な問題です。クリストファーソン長老の考え方そして経験についてお話を伺うことができ、本当によかったです」とオックスフォード大学の学生であるブリアナ・ボーエンは述べた。

「クリストファーソン長老が、わたしたちの良心はわたしたちのゆく道を示し、良心の中心にあるのが宗教ですとおっしゃったのを聞き、わたしはイスラム教徒として大変励まされました」とアイナ・カーン弁護士は述べた。

「今回のお話を聞き大切にしたいと思ったのは、絶対的道徳観であり、それがわたしたちのものの考え方、そしてこの世の中でどのように行動すべきかを考えるときに重要であるということです」とオックスフォード大学の学生ネイサン・ピンコスキーが語った。

「今回のテーマで分かち合われたことに対して感じたことは、もっと奉仕をする必要があるということ、わたしたちの社会には高潔な公務員が必要であるということ、そして物事やそのプロセスに関わり続け、そこで善を行う必要があるということです」とビジネスマンのアラン・フィリップが述べた。

「皆さんの良心がさらに堅固で洗練されたものとなり、皆さんの個人の職業と人生においてウォーターゲート事件が決して起こらないようにと祈ります」と述べ、クリストファーソン長老は講演を締めくくった。

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